児童家庭福祉の専門職と専門技術【保育士サポートナビ】

2004年、児童福祉法が、
次世代育成支援対策を推進する事を目的として改正され、
同じく2004年、児童虐待の防止等に関する法律が、
児童虐待の防止を推進する目的で改正されました。

 

そして、このような新しい児童家庭福祉施策を推進するために、
サービスを提供する職員の資質や専門性が問われる昨今です。
保育士さんもぜひ知っておきましょう!

 

(1) 児童家庭福祉職員の専門性

 

児童家庭福祉に関係する専門の職業には、
専門の職業として資格を持ち、その施設や機関などで働く職員がいます。

 

このような専門の職員に対し、家庭における養育能力低下、児童虐待、
非行の低年齢化、不登校、いじめ、学級崩壊など、
さまざまな子どもを取り巻く社会問題に対応できる高度な専門性が要求されます。

 

ですから、児童家庭福祉職員には、
社会問題に対応できるよう知識や技能、能力を十分に発揮し、
子どもの心身ともに健やかな発達保障を行い
環境調整や社会的支援に向けた幅広い専門的知識と
熟練技術に基づいた実践が必要です。

 

児童家庭福祉職員の専門性ある職務としては、
子どもの権利擁護を行うこと、
そして最低生活の保障をすること、
自立支援、保護育成の援助を行うことがあります。

 

子どもの最善の利益や権利を最優先に考える

 

1989年、第44回国際連合総会で、
「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」が採択されました。

 

日本では、1994年に批准されましたが、
この中で、「子どもの最善の利益」の保障には、
自己の意思を表明できない子どもの権利を保障していくことも含まれています。

 

また、子どもは、自分の意見を表明する事ができない状況下に
置かれてしまうことがあります。

 

そのような時、児童家庭福祉の専門職には、
子どもが意見を表明することができるような環境づくりを行い、
子どものニーズを的確に読み取る事が必要です。

 

そして、児童家庭福祉士の専門職は、
子どもの意見を代弁していく役割も担います。

 

このように児童家庭福祉職員の専門性には、
子どもの最善の利益や権利を最優先に考える価値観を持つということになります。

 

職業倫理(人権の尊重)

 

児童家庭福祉職員は、専門性ある職務として人権を尊重する事が必要です。

 

どのような人であっても、その人の存在を肯定し、
尊重する事によって、公平に対応すること、対等な援助関係を作ることが必要です。

 

そして、価値観や信条についても、
非審判的な態度で接する事が大切です。

 

プライバシーの保護と守秘義務

 

児童家庭福祉職員は、専門性ある職務として、
プライバシーの保護をすること、守秘義務を守ることが必要です。

 

(2) 児童家庭福祉の専門職従事者

 

児童家庭福祉の専門職従事者は、国や地方公共団体等行政機関や
児童福祉施設、また社会福祉協議会、民間団体等に所属して職務を行っています。

 

所属する機関や職務内容、任用資格などにより、資格はさまざまですが、
資格には、国家資格、児童福祉法関係法令規定による任用資格があります。

 

・国家資格

 

社会福祉士及び介護福祉士法が1987年に制定されました。

 

これは、福祉分野で始めての国家資格です。

 

また、「児童虐待の防止等に関する法律(2000年交付)」に関連死、
児童福祉法のなかで児童家庭福祉専門職要件に「社会福祉士」が加えられています。

 

このような国家資格のスタートは、
児童家庭福祉の専門性に、よりソーシャルワークが求められていることの現れです。

 

(3) 児童相談所の専門職

 

児童福祉法に規定されている児童相談所には、
所長、所員が置かれています。

 

児童相談所の職員である所長は、都道府県知事の監督を受けて全体を統括し、
所員は所長の監督を受けて、
相談や措置などの事務、心理的援助、一時保護などの業務を行っています。

 

そして、子どもや親などの保護者のニーズにあった支援サービスを、
高度な専門性を持って提供することが求められます。

 

児童相談所の所長の要件

 

児童相談所の所長は、以下のいずれかに該当することが要件になります。

 

 1 医師であり、精神保健に関して学識経験を有する者

 

 2 学校教育法に基づく大学、旧大学令に基づく大学において心理学を専修する学科、
  またはこれに相当する課程を修めて卒業した者

 

 3 社会福祉士

 

 4 2年以上児童福祉司として勤務した者または児童福祉司の資格を得た後
  2年以上所員として勤務した者

 

 5 前述に準じた者であり、所長として必要な学識経験を有する者

 

 *児童相談所長は、厚生大臣が定める基準に適合する研修を受けなければならない。

 

児童相談所の児童心理司の要件

 

児童心理司は、子どもや保護者などの相談に応じ、
診断面接や心理検査、観察を行ったり、
子どもや保護者に対して心理診断を行います。

 

また、子どもの保護者(親など)や、関係者などに対しての心理療法や、
カウンセリング、助言指導等も行います。

 

児童心理司の資格要件は以下のようになっています。

 

 1 大学などで心理学を専修する学科またはこれに準ずる課程を修めて卒業した者

 

 2 1に準ずる資格を有する者

 

児童相談所の心理療法担当職員の要件

 

児童相談所の心理療法担当職員は、児童や保護者など、
病理的パーソナリティの人たちを対象として
心理療法やカウンセリングなどを行います。

 

資格要件は、以下のようになっています。

 

 ・大学の学部で心理学を修め、学士と称することを得る者であって、
 個人及び集団心理療法の技術を要し、かつ心理療法に関する1年以上の
 経験を有する者が望ましい。